肌には、本来トラブルを自ら改善する力、いわゆる自己回復力が備わっています。
この自己回復力(ホメオスタシスとも呼ばれます)は、肌にトラブルが生じると、元の健康な状態に戻そうと自然に働きかけます。
ところが、体調不良やストレス、栄養不足、外部からの刺激などによって、この自己回復力が十分に発揮されないことがあります。
そこで役立つのが、体の内側から自己回復力をサポートしてくれる漢方です。
西洋医学と東洋医学の考え方の違い

漢方薬による肌トラブル改善について触れる前に、まずは西洋医学と東洋医学の考え方の違いを簡単に整理しておきましょう。
西洋医学
西洋医学はヨーロッパで発展した医学で、血液検査やレントゲンなどの科学的検査によって病気を特定し、外科手術や薬による治療を中心に行います。
その特徴は「症状が出たら病名を診断し、直接的に治療する」アプローチです。
例えばニキビなら、塗り薬やケミカルピーリング、レーザー治療などで「今できているニキビを治す」ことに重点を置きます。
東洋医学

一方、東洋医学は中国で生まれ、アジア各地に広がった医学です。
体全体のバランスを整え、内側から病気を改善したり、病気の予防を目的としています。
日本には室町時代に伝わり、鎖国などを経て日本独自の改良が進みました。その代表が漢方医学です。
漢方医学は「悪い部分に直接作用する」のではなく、体質そのものを整えることでトラブルが出にくい状態を作り、根本的な改善を目指す原因療法が特徴です。
例えばニキビの場合、漢方を服用することで血流や新陳代謝を整え、「ニキビができにくい肌環境」を育てることに重点を置きます。
両者のメリット
西洋医学も東洋医学もそれぞれに強みがあります。
ただし、肌トラブルの場合、対症療法だけでは根本的な原因が残り、繰り返しやすいとも言われます。
体質改善を重視する漢方医学は、繰り返すニキビや乾燥、シミなどのトラブルに有効と考えられています。
幸い日本では、西洋医学と漢方医学の両方を取り入れたアプローチが可能な恵まれた環境にあります。
漢方の特徴と症状別おすすめ漢方

東洋医学の中でも、最も身近で取り入れやすい体質改善の方法が漢方薬の服用です。
漢方薬とは、生薬と呼ばれる自然界の植物・動物・鉱物などを、2種類以上組み合わせて作られた薬のことを指します。
肌トラブルの原因のひとつに「瘀血(おけつ)体質」――血流の滞りによって新陳代謝が低下している状態――があります。
そのため、瘀血を改善して血の巡りを良くし、新陳代謝やターンオーバーを促す漢方を服用することで、みずみずしく健やかな肌を育むことができます。
ここでは、症状別に効果が期待できる代表的な漢方薬をご紹介します。
ニキビの改善
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加味逍遙散(かみしょうようさん)
生理前のニキビに。ストレスによる肌疲れや自律神経の乱れを整え、ホルモンバランスを安定させます。 -
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
繰り返すニキビに有効。便秘改善にも効果があります。 -
十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)
思春期のニキビに特に効果的。
乾燥・シワ対策
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四物湯(しもつとう)
乾燥を防ぎ、ホルモンバランスを整えます。 -
当帰飲子(とうきいんし)
肌に潤いを与え、かゆみを抑える働きがあります。
シミ対策
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桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
血行を促進し、シミを和らげます。さらに、生理痛や更年期障害にも用いられます。

漢方は、症状に直接働きかけるのではなく「体質そのものを整える」ことで、トラブルの出にくい肌づくりをサポートします。
まとめ
漢方薬は、今ある肌トラブルを改善するだけでなく、そもそも肌トラブルが起こりにくい体づくりをサポートしてくれる心強い存在です。
肌のターンオーバーは個人差があり、健康な人でも約28日、場合によっては40日以上かかることもあります。
日々変化する肌の状態に合わせて、体質改善を目指しながら焦らず継続することが大切です。
さらに、漢方薬は医学的にも認められた「お薬」です。
漢方医学では、肌表面の症状だけでなく、体全体の調子や不調、その人の体質に合わせて適した処方が選ばれます。
まずは、漢方薬局や漢方を取り扱う皮膚科で専門家に相談し、自分に合った漢方薬を見つけてみましょう。
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