うるつや肌には「乾燥」が効果あり?美肌に効果大の『乾燥食材』とは

紫外線を浴びると肌には様々なダメージが起こります。

肌にダメージを与える紫外線は2種類あり、それぞれUVAとUVBと呼ばれています。

UVAは、威力は強くないのですが窓ガラスなども透過して室内に降り注いでいるため、知らず知らずのうちに浴びてしまっていることの多い紫外線です。
長期間浴び続けることによって肌の奥の真皮層へダメージを与え、シワやたるみなど光老化の原因になります。

対してUVBは強力な威力で肌に急激なダメージを起こします。
紫外線を浴びた時に肌が赤くなるのは、UVBの仕業です。
赤くなった肌表面は炎症を起こしており、シミや皮膚ガンの原因になることがあります。

しかしこの紫外線、使い方によっては肌を美しくしてくれる重要な役割を果たしてくれるのです。

それが、天日で食材を干すことによって生まれる、乾燥食材・乾物たちです。

食材を乾燥することで生まれるメリット

食材を乾燥させることで生まれるメリットは大きく分けて3つあります。

1)増幅するビタミンD

まずは天日に干すことで増幅する栄養素があります。
ビタミンDです。

ビタミンDはカルシウムと一緒に摂ることで骨を丈夫にしてくれる栄養素で、他にもビタミンDが欠乏すると体の疲れが取れなかったり、気分が落ち込みやすくなることがわかっています。

骨は実は美容には欠かせないファクターです。
近年の研究では頭蓋骨の骨密度が年齢とともに下がることでたるみやシワにつながることがわかっていますし、新陳代謝を促進するために必要な血液は骨から作られます。

その骨はカルシウムを摂るだけだとなかなか定着しにくく、ビタミンDと一緒に摂取することで丈夫な骨になるのです。

表情筋と骨の健康がシワを防ぐ

ただしビタミンDを倍増させる「乾燥」は、天日で干してあることが条件です。
ビタミンDは紫外線に当てられることで増幅しますので、機械干しなどではビタミンDの恩恵はあまり受けられないと考えておいた方がいいですね。

2)栄養素や旨味が凝縮される

乾燥させることで得られるメリットの2つ目は、食材の持つ栄養素がぎゅっと凝縮されることです。

特にビタミンB群やカルシウムや鉄分といった栄養素が濃縮されるため、少量でたくさんの栄養素を摂取することが可能になります。

また、食材を乾燥させると、食材の持つ旨味成分が増加し、味わい深くなります。

旨味成分は昆布に代表されるグルタミン酸、鰹節に代表されるイノシン酸、干し椎茸に代表されるグアニル酸などがあります。

3)豊富な食物繊維が腸活に効果あり

食材を乾燥させることで生まれるメリットの3つ目は、お腹に優しいということです。

乾燥食材がお腹に優しいというのはその食物繊維の豊富さにあります。

食材を乾燥させると水分が食材から蒸発していき、食物繊維が残ります。

お腹の中には約1000種類ほどの腸内細菌が住んでいますが、その内でお腹を整えてくれる役割を果たしてくれる細菌を善玉菌と呼びます。

食物繊維は善玉菌のエサになるので、食物繊維をしっかり取ることで善玉菌が増え、お腹の調子が整うのです。

お腹の調子が整うと、お肌の調子も上がります。

美肌に効果の高いビタミンCなどは体内で生成することができないので、食事やサプリメントから摂取します。

しかし、お腹の調子が悪いと腸はせっかくの栄養素をうまく吸収することができません。

食物繊維などでお腹の調子を整えると、栄養素をスムーズに吸収できるのでよりたくさんのビタミンCやビタミンB群などを美肌に活かすことができるのです。

また腸内の善玉菌には、老化の原因と言われる活性酸素を減らす働きもあります。

お腹の調子を整える食物繊維は、美しい肌作りには欠かせないのです。

美肌をサポートする、オススメの乾燥食材

美しい肌をサポートする栄養素がぎゅっと詰まった乾燥食材たち。

その中でも、乾燥させることで本来の栄養がグンと上がっている、おすすめな食材をご紹介します。

干し椎茸

椎茸は天日に干すことでビタミンDが倍増することが知られています。

生椎茸を天日に干すことで、ビタミンDが生成され生椎茸の10倍ほどにもなります。

大切なことは、天日で干されていること。

機械干しの干し椎茸はビタミンDは増えていないので要注意です。
(機械干しの干し椎茸の場合は、調理する何時間か前に天日に干しておくだけでもビタミンDは増えます)

干し椎茸にはビタミンB群も豊富に含まれていますが、ビタミンB群は水溶性ビタミンと言って水に溶け出す性質のあるビタミンです。

干し椎茸の調理法は煮物などが一般的ですが、干し椎茸を戻した戻し汁にも栄養素はたっぷりと含まれているので、栄養素を余さず摂るためには煮物は合理的な調理法なんですね。

煮物以外にも、冷ましたコンソメスープで干し椎茸を戻し、牛乳を加えて戻したスープごとミキサーにかけ温めると、美味しいポタージュスープになります。

栄養を簡単に丸ごと取れますし、カルシウムも一緒に取れるのでおすすめです。

干すことで旨味成分であるグルタミン酸が濃縮されるだけではなく、グアニル酸という椎茸独自の旨味成分が生成されます。

グアニル酸は生椎茸にはない旨味成分で、椎茸を干すことで生成される旨味成分です。

椎茸独自の旨味を味わいたい人は、干し椎茸をチョイスするといいですね。

切り干し大根

ミネラルと食物繊維が豊富で、鉄分は生の大根のなんと50倍にもなります。

鉄分は肌のハリとなるコラーゲンの生成をサポートしたり、シミの生成を抑制・できてしまったシミの排出に役立つ栄養素です。

また、切り干し大根には食物繊維も豊富に含まれています。

切り干し大根は炒め物や含め煮など様々な美味しい食べ方がありますが、オススメの食べ方はサラダです。

水につけて戻した切り干し大根は水気をよく切り、食べやすい大きさに切った後、お好きなドレッシングで和えて食べます。
切り干し大根のサラダは歯ごたえも良く満腹感を得られやすいので、ダイエットにも向いていると言えます。

その際にトマトやキュウリ、ツナなども一緒に和えると栄養バランスのいい副菜になりますよ。

しらす(ちりめんじゃこ)

しらすは主にイワシの稚魚を指し、一般には釜揚げしらすやしらす干しなどとしてスーパー等で販売されています。

魚を丸ごと食べられるしらすはカルシウムなどの栄養価が高い食品ですが、しらすは天日で干せば干すほど栄養価が上がっていることがわかっています。

その中でも特筆すべきはビタミンDの含有量です。

しらすはその干し具合で呼び方が変わってきますが、釜揚げよりもしらす干し、しらす干しよりもちりめんじゃこ、ちりめんじゃこよりもタタミイワシと、天日で干せば干すほどビタミンDの含有量が高くなります。

ビタミンDは脂溶性ビタミンと言って、油と一緒に摂取することで吸収率が上がります。
熱に強いオメガ9脂肪酸であるオリーブオイルでカリカリに焼いたり、熱に弱いオメガ3脂肪酸である亜麻仁油を使ったドレッシングでサラダにして食べたりするといいですね。

また、シワやたるみ対策のために一緒に摂りたい栄養素はカルシウムですが、カルシウムの中でも乳製品に含まれるカルシウムは量が豊富な上に体への吸収率も高いので、チーズなどと一緒に摂るのもおすすめです。

海苔

海苔も乾物の一種で、一見するとなんの栄養素があるのかわからない海苔ですが、実はかなり優秀な美肌食材です。

肌は約1ヶ月ほどで新しく生まれ変わり(ターンオーバー)ますが、その際に必要な栄養素にタンパク質があります。

海苔の4割は必須アミノ酸を兼ね備えた、良質なタンパク質なのです。

しかも食材を干すことで失われがちなビタミンCですが、海苔のビタミンCは保存性に優れており、一帖(海苔1枚のことです)でなんとみかん1個の1.5倍も含まれていいます。

ビタミンCはよく知られている通り、肌の活性酸素を除去してくれる働きがあるのでシミやシワを撃退してくれる美容に欠かせない栄養素です。

ビタミンCは通常は熱に弱く、焼いたりすることで壊れてしまいがちなのですが、海苔に含まれるビタミンCは熱にも強いのが特徴です。

海苔の摂取は1日一帖が目安です。
例えば揉み海苔にしてお味噌汁に入れてしまったりすると、労せずして摂取することができます。

まとめ

乾燥食材は保存性や味に優れているだけではなく、美容に良い栄養素が増幅したり、凝縮されています。

特に天日で紫外線に晒しながら干すことで倍増するビタミンDや、お腹の調子を整える食物繊維など、日々の食卓に取り入れたいものばかりです。

とはいえ、乾燥させていないフレッシュな食材にも、酵素やビタミンCなどの美容栄養素がふんだんに含まれています。

乾燥食材とフレッシュな食材は、バランス食卓に並べるようにしましょう。