顔のむくみ対策と応急処置

朝起きた時、飛行機や電車などの長距離移動、長時間の立ち仕事または座り仕事の後など、表情や顔色がなんとなく暗くて顔がぽってりと浮腫んでいると感じたことはありませんか?

むくみを早急に治したい、普段から浮腫まないようにするためにはどうしたらいいのか、顔のむくみについてお困りの方へ処置と対策方法をご紹介します。

顔のむくみとは?

「むくみ」の正体は何なのでしょうか。
血液中の水分や老廃物が体内(皮膚の内側)に染み出し、溜まった状態を言います。浮腫(ふしゅ)とも呼ばれます。
通常であれば、余分な水分や老廃物はリンパ管で回収されて体外へ排出されます。しかし何らかの原因で血液やリンパの流れが滞り、水分や老廃物が回収されず体内に溜まって浮腫んだ状態になります。

むくみは体の下へどんどん溜まっていきます。寝ている状態だと、顔や背中にむくみの症状が現れます。
顔のむくみを感じた時によくまぶたが腫れぼったく見えるのは、顔の中でまぶたの皮膚が特に薄いため、浮腫んだ状態が現れやすいからです。

むくみをセルフチェック

顔が浮腫むタイミングは人それぞれですが、浮腫んでいることに気付いていない方が意外と多いです。

鏡で自分の顔を見た時、頬やまぶたがパンパンに腫れていたり、フェイスラインがボコボコとして少し太った印象に見えたりすることはありませんか?
そのような状態だと、明らかに浮腫んでいることがわかるかと思います。

以下の方法で顔が浮腫んでいるかどうか確認ができます。いずれかに当てはまれば、顔が浮腫んでいる可能性があります。

  • 頬を指で圧したり摘んだ後、皮膚の表面についた痕が暫くしても消えない
  • 顔についた枕や布団、マスクなどの痕がなかなか消えない
  • まぶたが厚ぼったくて重く、視界が悪い

むくみの原因と対策

顔のむくみの対処方法を知る前に、まずはむくみの原因を知っておきましょう。
むくみの原因を知ることも、改善に繋がります。

  • 水分不足または水分の摂りすぎ
  • アルコールの飲み過ぎ
  • うつ伏せで寝ている
  • 睡眠不足、睡眠の摂りすぎ
  • 立ちっ放し、座りっ放しなど、ずっと同じ姿勢でいる
  • 肩や腰、目などが凝っている
  • 塩分や糖分の過剰摂取
  • 冷え性

水分が不足していると体内に水を溜め込もうとするので、むくみに繋がると言われています。
また、水分を一気に摂りすぎるのもむくみの原因になります。
喉が乾いていなくても、水分は小まめに摂るようにしましょう。

うつ伏せで寝ること、睡眠の質が悪い、同じ姿勢でいること、全身に凝りがある、冷え性などは、体の新陳代謝の妨げになります。新陳代謝が滞ると血流やリンパの流れが悪くなり、むくみの原因になります。
睡眠は程よくとり、起床時やずっと同じ姿勢、凝りを感じたら軽いストレッチ、または毎日軽く汗をかく程度の運動をするよう心掛けましょう。

女性の場合、生理の関係でホルモンバランスが崩れることも、むくみの原因となります。
冷え性やホルモンバランスが崩れている時は、湯船にゆっくり浸かるなどして体を冷やさないようにしましょう。

顔のむくみを改善するには

顔が浮腫むと太って見えたり、メイクのノリが悪くなったり、目の腫れぼったさは泣いた後のような印象を与えて、人前にあまり出たくなくなりますよね。
顔のむくみは起き上がってしばらくすれば、水分や老廃物が自然と顔から下へ流れていくので解消されます。しかしむくみの度合いにもよりますが、自然に解消されるまでに時間がかかり、朝のメイクまでには治らない場合もあります。

自然に治す時間がない場合、手早く顔のむくみを解消させる方法をご紹介します。

顔の血流をよくする方法

顔のむくみとは血流やリンパの流れが悪くなり、水分や老廃物が肌の内部に溜まっている状態です。それを解消するには、顔の血行をよくして余分な水分と老廃物を流してしまうことです。
起床時やお酒を飲みすぎた場合、体内の水分が不足している状態なので、むくみを解消する前にコップ1杯の水を飲んでおきましょう。

腫れぼったい目の応急処置

腫れた目によく蒸しタオルを当てたりしますが、そうすることで目の周りの血行を良くし、余分な水分や老廃物を流してくれる効果があります。


  1. 火傷しない程度に温めた蒸しタオルを、目の上に2〜3分乗せる。(蒸しタオルは濡らしたタオルを電子レンジで2〜3分温めることで、簡単に作れます。)
  2. その後に冷水で洗顔、または冷水に浸して軽く絞ったタオルを目の上に2〜3分乗せる。
  3. 上記を2〜4回程繰り返す。

目に温冷タオルを交互に当てることで、血行を促進させます。目を冷やすことは引き締め効果もあるので、視界もスッキリとします。
泣いて涙を流しすぎて腫れてしまった場合も、この改善方法で試してみてください。

軽いストレッチで血流をよくする

軽くストレッチを行うことで、体全体の血流をよくし、全身に溜まった水分や老廃物を流します。ストレッチは全身が解れればどんな方法でも構いません。顔は表情筋を使ったストレッチで筋肉を解すことができます。
起床後、仕事の合間、湯船に浸かっている時など、ご自分のペースで軽く行うようにしましょう。

簡単なストレッチ方法の一例をご紹介します。


  • 首や肩、腕、足首をゆっくりと回し、凝りを解す。
  • 手足をブラブラさせて、手の先や足先の血流をよくする。
  • 両耳を手でつまんで外側・上下に引っ張ったり、耳を上下に畳んだりして、耳周りの血流をよくする。
  • 目をギュッとつぶったり大きく開けたり開閉を繰り返し、目の周りの血流をよくする。
  • 口を「い」の形にして両側に引っ張り伸ばすようして、「う」の形で口を窄め、これを繰り返して口の周りの血流をよくする。
  • 頬に握りこぶしをあて、軽く押して頬を解す。

軽いストレッチを行う場合、背筋を伸ばしてゆっくり深呼吸しながら行うことを忘れないようにしてください。

顔や首のリンパを流す

手や指で顔や首を押さえてマッサージすることで、顔のリンパの流れをスムーズにさせてむくみをとります。
マッサージを行う時は、背筋を伸ばしてゆっくり深呼吸しながら行うとより効果的です。肌に直接摩擦をかけないよう、マッサージ専用のクリームやジェルなどを使用しましょう。


  1. 鎖骨を解すことから始めます。鎖骨はむくみの原因(余分な水分や老廃物)の排出先になります。鎖骨の上部を軽く押さえたり、鎖骨周りを円を描くように揉み解します。
  2. 両手で顎の下を押しながら、耳の下に向けてゆっくりと移動させます。
  3. 両手で頬を押しながら、こめかみに向けてゆっくりと移動させます。
  4. 指で眉間を押しながら、こめかみ〜耳の上〜耳の後ろに向けてゆっくりと移動させます。
  5. 両手で額を押しながら、こめかみ〜耳の上〜耳の後ろに向けてゆっくりと移動させます。
  6. こめかみ〜耳の前を通って首、鎖骨までを両手で肌の上を軽く滑らせるように移動します。顔に溜まった老廃物を鎖骨に流していきます。

上記の動作をそれぞれ3〜5回程繰り返します。

また、セルフでリンパマッサージを行う場合、以下の注意点があります。気をつけましょう。

  • 強く圧したり肌の上を擦るようなマッサージはしないこと。(シワの原因になります。)
  • リンパマッサージはじっくり時間をかけず、3分程で終わらせること。(やりすぎると逆に浮腫みます。)
  • 圧す順番や方向を逆にしないこと。(リンパがうまく流れなくなります。)

リンパのマッサージは顔が浮腫んでいる時以外、むくみ防止・小顔効果・たるみ改善などの悩みにも有効です。1日1回、湯船に浸かっている時やお風呂上がりなどに軽く行うよう習慣付けるとよいでしょう。

顔のツボでむくみを解消

顔のむくみが解消するツボをご紹介します。
浮腫んだ時だけでなく、リンパマッサージと同じで普段から習慣付けることでむくみ対策にもなります。

ツボはギュッと強く押さず、ゆっくりと5秒程時間をかけて軽く圧をかけるように押しましょう。

攅竹(さんちく)

眉毛の内側にあるツボです。目の周り、目元のむくみを解消します。

四白(しはく)

正面を見た時の、黒目の下から1cmほど真っ直ぐ下にあるツボです。目の下のクマやたるみ、むくみを解消します。

顴髎(けんりょう)

目尻を真っ直ぐ下と、頬骨の下から横とで交わる部分のツボです。血流を良くしてむくみをなくし、たるみの改善になります。

頬車(きょうしゃ)

耳の下と顎の角との間にあるツボです。顔の新陳代謝を促し、頬のたるみを解消します。

上廉泉(かみれんせん)

顎の下のくぼんでいる部分にあるツボです。二重顎を解消します。

顔のむくみは肌トラブルのもと

顔のむくみは、腫れぼったい見た目になったりメイクのノリが悪くなる他にも、放置しておくと新陳代謝が落ちて目元や頬などのたるみ、二重顎の原因になります。
また、むくみを繰り返すと、肌のターンオーバーに影響を与える場合があります。肌のターンオーバーが滞ればニキビやシワ・シミなど様々な肌トラブルに影響を与えます。

その他に、いくら良い化粧品を使用していても、浮腫んだ顔には水分と老廃物が溜まっているため、化粧水などの浸透性が悪くなります。
紫外線対策をしっかり行っていても、新陳代謝の低下で肌の乾燥化やシワ・シミを防ぐ妨げとなります。

顔のむくみ対策に、少しの時間でもいいので1日1回ツボを押したりリンパマッサージを行ったり、普段から新陳代謝を意識するよう心掛けてみてはいかがでしょうか。