肌に一番効果のあるスキンケアは、質の良い睡眠

睡眠と美容は、切っても切り離せないくらいとても密接に関係しています。


睡眠不足は肌荒れに響く
夜の10時から2時は、肌のシンデレラタイム(またはゴールデンタイム)


という言葉を、耳にしたことがあるかと思います。
その言葉の通り、美肌を保つためには睡眠をよくとることが良いとされています。

ただし、睡眠時間をたくさんとればとるほど、美肌に繋がるとは限りません。休日にまとめて長時間寝たり、昼寝など小まめにとったりしても、美容効果は期待できません。
睡眠そのものの「質」が、肌の美容へ影響を及ぼします。
睡眠不足(睡眠の質が良くない状態)だと化粧のノリが悪くなったり、肌がなんとなく乾燥していたり、ボロボロだと実感することがあると思います。

美容に効果的な睡眠とは何なのか。良質な睡眠のとり方についてご紹介します。

睡眠に大切な2つのサイクル

睡眠は、レム睡眠とノンレム睡眠という2種類の睡眠状態が交互に繰り返し行われます。眠り始めはまずノンレム睡眠の状態になり、その後およそ90分前後でレム睡眠に移行し、またノンレム睡眠へと繰り返します。

レム睡眠は身体を休息させる睡眠で、眠りが浅い状態になります。瞼は閉じていますが眼球の運動があり、夢のほとんどはレム睡眠中に見ていると言われます。脳は覚醒しており、今日一日起きた出来事や記憶したものなどの情報整理を行なっていると思われます。
ごく稀に体験する「金縛り」は、レム睡眠で体が休んでいる状態(麻痺している状態)で起こる現象です。不規則な睡眠生活やストレスが溜まっている状態だと眠り始めがノンレム睡眠ではなくレム睡眠になる場合があり、この時に金縛りのような体験をします。

ノンレム睡眠は脳を休息させる睡眠で、眠りが深い状態になります。眠り始めに起こるノンレム睡眠中に、成長ホルモンが大量に分泌されます。成長ホルモンは身体組織の成長や修復、疲労の回復などを行います。ただし、加齢とともにノンレム睡眠状態の割合と成長ホルモンの分泌量は減少していきます。

ちなみに、レム睡眠とノンレム睡眠がなぜ交互に行われているかについては、本能的に無防備状態を防ぐためと言われています。

美容と成長ホルモンの関係性

美肌を保つためには、なぜ睡眠が大切なのでしょうか?
それは、ノンレム睡眠中に分泌される「成長ホルモン」が大きく関係しています。

成長ホルモンとは、骨や皮膚、筋肉など身体のあらゆる組織を作り上げたり治癒したりするのに必要なホルモンです。「寝る子は育つ」とよく言われている通り、寝ている間に多く分泌される成長ホルモンによって、身体は成長します。成長ホルモンは一日中分泌されていますが、その内のおよそ7割は睡眠中に分泌されます。
また、成長ホルモンは子供の頃の成長期だけでなく、歳を重ねても続く細胞の再生機能に欠かせないホルモンです。成長ホルモンが分泌されなくなると代謝が落ち、体力や気力、集中力の低下、骨粗しょう症や動脈硬化、糖尿病などあらゆる症状に影響を及ぼします。

成長ホルモンは肌の場合、皮膚のターンオーバーや皮下組織の水分を保持するための細胞構築を促進する働きがあります。この働きにより肌の潤いを保ってハリやツヤを与え、ニキビやシミ、シワ、たるみなどの肌トラブルの改善にも繋がります。

美肌を保つため、肌トラブルを改善・予防するため、アンチエイジングのためには、睡眠によって大量に分泌される「成長ホルモン」が必要不可欠です。

美肌になるための良質な睡眠とは

美容に欠かせない成長ホルモンは、睡眠をたくさんとればとった分だけ分泌されるというわけではありません。また、「肌のゴールデンタイム夜10時〜2時の間に睡眠をとると良い」とよく言われますが、この時間帯に寝ていれば必ずしも多くの成長ホルモンの分泌が期待できるとも限りません。

美肌のためには、どのような睡眠が効果的なのかご紹介します。

成長ホルモンの分泌に必要な時間

成長ホルモンは、眠り始めてノンレム睡眠に入ってから約2時間までの間に多く分泌されます。その後はおよそ5〜6時間かけて身体の隅々に成長ホルモンが行き渡り、細胞組織の成長や再生などが行われます。

必要な睡眠時間の理想は成長期であれば10時間、思春期は8時間ぐらいと言われています。思春期を過ぎた歳以降は、最低でも7時間ぐらいが目安になります。
また、最適な睡眠時間とは、細切れにとった総合的な時間では意味がありません。一度眠りについてから起床するまでの連続した時間であることが大切です。

自然な眠りが最良の睡眠

人が眠気を感じる条件には、疲労を感じている時や寝不足、睡眠薬の飲用などあります。しかし、美容に一番最良な眠り方は「自然な眠り」です。

自然な眠りへと導くためには、睡眠ホルモンと呼ばれる「メラトニン」の分泌が必要です。メラトニンは自然な眠りを誘う他に、疲労回復、抗酸化作用で新陳代謝を促進するなどの働きがあります。

メラトニンは朝日など強い光を浴びることで分泌量が減り、それから約15時間経つとまた分泌量が増加します。起床して朝日を浴びてから約15時間後、メラトニンの分泌量が増加すると眠気が起こります。その眠気に従って就寝すれば、自然な睡眠をとることができます。朝まで深い睡眠をとり、朝日を浴びて起きればメラトニンの分泌量が減っていき、体内時計がリセットされて15時間後まではメラトニンの分泌量がおさえられます。

しかし、室内を明るくした状態で睡眠したり、眠る前にパソコンやスマホなどのブルーライトを浴びると、メラトニンの分泌が減少して自然な睡眠の妨げとなります。
また、遅く起きたり、朝日を浴びることなく引きこもったり、昼と夜が逆転した生活をすると、メラトニンの分泌時間にズレが生じ、睡眠したい時間にうまく分泌されなくなります。

快適な睡眠を自然にとるためには、睡眠前のパソコンやスマホを避け、なるべく暗くした室内で睡眠をとり、起きた時は朝日をしっかり浴びて、メラトニンが安定して分泌されるようコントロールしましょう。

良質な睡眠に最適な起床・就寝時間と睡眠時間

「肌のゴールデンタイムは夜10時〜2時の間」と言われるのはおそらく、成長ホルモンメラトニンの分泌条件に関係していると思われます。

起床する時間帯が大体朝6〜7時ぐらいだとすると、理想的な睡眠時間の7時間で逆算すると大体夜11時〜0時が就寝の目安になります。寝入ってから成長ホルモンが大量に分泌される2時間頃までを含めると、夜中の2時ぐらいとなります。
朝の6〜7時に朝日を浴びて起床することで体内時計がリセットされ、メラトニンの分泌が弱まります。そこから次の分泌まで約15時間経つと、夜の10時頃からメラトニンの分泌が増え、自然な眠りにつくことができます。

良質な睡眠を確保するための条件

起床や就寝、睡眠時間以外にも、良質な睡眠をとるための条件はあります。就寝の際、心身共にリラックス状態を作り、自分に見合った快適な睡眠環境を作ることも大切です。


  • 食事は寝る2〜3時間前に済ませる。(胃袋の消化の働きがおさまってから睡眠をとる)
  • 入浴は寝る1時間前くらいに済ませる。(入浴で上がった体温が自然に下がるタイミングで寝ると良い)
  • 入浴は夏であっても、ゆっくり湯船に浸かる。
  • 寝る前に運動は行わない。(アドレナリンが出た状態を避ける)
  • 寝る直前、テレビやスマホなどの電子機器の画面を見ない。(脳に刺激を与えない)
  • 日中昼寝をする場合、30分ほどにする。

上記の他にも、全身の疲れを満遍なくとるために、無理なく寝返りが打てたり、なるべく寝苦しくないよう快適な室温と布団の中で眠ることも大切です。騒音や振動などで睡眠を妨げないよう、リラックスして眠れる環境を作りましょう。

良質な睡眠で、トラブル肌予防やみずみずしい美肌に

成長ホルモンとメラトニンの分泌量は成長期や思春期をピークに、その後は加齢と共に減少していきます。歳をとると寝つきが悪くなったり睡眠が浅くなるのは、メラトニンの分泌量の低下が原因の1つです。睡眠時間が短くなったり眠りが浅くなれば成長ホルモンも全身に満遍なく行き渡らなくなり、細胞組織の再生機能も低下します。

若い頃は夜更かしやオールをしても肌に影響が出なかったのに、年齢が上がるにつれ睡眠不足になると肌荒れやメイクののりが悪くなったと感じたことはありませんか?
歳を重ねてもトラブルのない美肌を保つためには、成長ホルモンとメラトニンが少しでも多く分泌されるよう、良質な睡眠を心掛けてみてください。

また、丁寧なスキンケアや小まめにエステに通ったり、どんなに美容に気を使っていても、土台である肌の状態が良くなければ効果は期待できません。トラブル肌の予防や美容成分をより効果的にさせるためにも、良質な睡眠はスキンケアには欠かせない大切な要素なのです。