ビタミン摂取で美肌は作れるの?スキンケアとビタミンの関係

お肌を美しく保つために欠かせない栄養素と言えば“ビタミン”です。
日々のスキンケアと合わせてビタミン摂取を心掛けている人も、多いのではないでしょうか?
「ビタミン」=「お肌にいい」というのは皆さんもご存知だと思いますが、ビタミンがお肌に対してどのような働きをするかは、あまり知られていません。
そこで今日の記事は「ビタミンがお肌にどのように作用するか」「ビタミンとスキンケアの関係」について解説したいと思います。

ビタミンはお肌にこう作用する!


知っているようで知らないビタミンの働きですが、実はこんなことに役立っています!

体内に摂取されたビタミンは「タンパク質」「脂質」「糖質」の活動をサポートする役割を果たし、お肌の生成に欠かせない「体の代謝」をスムーズにしてくれます。

お肌は“ターンオーバー”という代謝の周期で美しさを保っていますので、ビタミン不足で体の代謝が滞ると、美肌をキープできなくなるのです。

ビタミンは2つの種類がある


美しいお肌の生成に欠かせないビタミンですが、大きく分けると『脂溶性』『水溶性』の2種類があります。
ビタミンはその種類によって性質やおすすめの摂取方法が異なりますので、ここでしっかり違いを抑えておきましょう!

脂溶性ビタミン

脂溶性ビタミンは、文字通り脂(あぶら)に溶けやすいビタミンです。
抗酸化作用があり、皮膚や粘膜を丈夫にしてくれる作用があります。
スキンケアの役割が期待できるのはもちろんですが、粘膜を丈夫にすることで、細菌やウイルスから私たちを守る働きも担っています。
脂溶性ビタミンは体内に蓄積される性質があるので、サプリメントで摂取する場合は、摂り過ぎないように注意しましょう!

◆代表的な脂溶性ビタミン

  • ビタミンA
  • ビタミンE
  • ビタミンD
  • ビタミンK

水溶性ビタミン

水溶性ビタミンは水に溶けやすいビタミンで、私たちの体内や食材の中でも水に溶けた状態で存在します。
水溶性ビタミンは体内に蓄積されないのが特徴で、必要量を超えると尿と一緒に排出される性質があります。
そのため毎日摂取することが理想なのですが、毎日食材から摂るのはけっこう難しいものです。
食事で水溶性ビタミンを充分取れない場合は、サプリメントで補うという選択肢もおすすめです。

◆代表的な水溶性ビタミン

  • ビタミンB群
  • ビタミンC
  • ビオチン(ビタミンH)
  • 葉酸

脂溶性ビタミン摂取のポイント


脂溶性ビタミンは、油と一緒に摂取すると吸収率がUPします。
そのため食事で脂溶性ビタミンを摂りたい場合は、植物油を使って調理するのがおすすめです。
ごま油で炒めてみたり、サラダの仕上げにオリーブオイルを掛けてみたりするといいでしょう。
また、油分を多く含んだナッツ類をトッピングするなど、アイディア次第でお料理のバリエーションも拡がります。

脂溶性ビタミンを多く含む食材

代表的な脂溶性ビタミンごとに、食材をご紹介いたします!

◆ビタミンA(βカロテン)

皮膚や粘膜の保護に効果的なビタミンAは、ターンオーバーの活性化を促し、お肌を健康な状態に保ってくれます。
お肌の保水力UPメラニンの排出にも好影響を与えますので、お肌のくすみに効果的です!

【代表的な食材】

  • 人参・かぼちゃ・ほうれん草などの緑黄色野菜(植物由来)
  • レバー・鰻・チーズ・タラ・卵など(動物由来)

但し、動物由来のビタミンAは体内に蓄積する性質があり、これらは過剰摂取すると体に悪影響を及ぼします。
ビタミンAを摂取する場合は、緑黄色野菜を中心にバランスよく摂取してください!

◆ビタミンE

細胞を酸化させ、メラニンの生成を活発にする活性酸素は、肌細胞を老化させることでも知られる美肌の大敵です!
その活性酸素を除去してくれる栄養素が“ビタミンE”です。
血行促進効果もあるため、冷え性改善新陳代謝UP効果もあるそうです。

【代表的な食材】

  • アーモンド
  • モロヘイヤ
  • かぼちゃ
  • 赤ピーマン

ビタミンEは、ビタミンCと相性がいいと言われています。
水溶性のビタミンCは生での摂取がおすすめなので、野菜サラダに砕いたアーモンドをトッピングしたり、赤ピーマンやかぼちゃをトッピングすると、効果UPが期待できます!

◆ビタミンD

骨を丈夫にし、免疫力もアップしてくれるビタミンDですが、実はお肌のバリ機能を高めてくれる効果もあります!
バリア機能が高まったお肌は保水力が向上したり、紫外線などの外部刺激からも強くなったりと、スキンケアにも好影響です。
また、丈夫になった骨は骨密度の低下も抑えてくれるので、加齢による身長の低下が緩やかになり、それに起因するシワやたるみを予防する効果も期待できるのだとか。

【代表的な食材】

  • しらす
  • まいわし
  • きくらげ
  • 干し椎茸

ビタミンDは不足することの少ないビタミンで、普段の食事でも充分に摂取が可能です。
極端に意識することなく、バランスの良い食事を心掛けていればOKです!

◆ビタミンK

血液をサラサラにしたり、内出血が起きた時には逆に血液を固めたり、体内の血流を正常化してくれるのがビタミンKです。
適量を摂取することで血行不良が改善され、目の下のクマお肌のくすみを改善する効果が期待できます!

【代表的な食材】

  • 納豆
  • バジル
  • 紫蘇
  • モロヘイヤ
  • 春菊

骨の形成にも関係しているビタミンKは、ビタミンDと一緒に摂るのがおすすめです。
納豆にしらすを合わせてみたり、風味付けにごま油を取り入れたり、工夫してみてください!

水溶性ビタミン摂取のポイント


水溶性ビタミンは、水に溶けやすく熱にも弱い性質があります。
そのため食材を調理する前には洗い過ぎないように注意が必要ですし、加熱で壊れることも頭に入れておいてください。

水溶性ビタミンを多く含む食材

代表的な水溶性ビタミンと、その成分を多く含む食材をご紹介します!

◆ビタミンB群

“美容ビタミン”とも呼ばれるビタミンBは、他の栄養素と組み合わされて作用するのが特徴です。
たんぱく質や脂質、糖質の代謝を促したり、自律神経を整えたりしてくれます。
ビタミンBには8つの種類がありますが、その中でもスキンケアに特に関係するのが、ビタミンB2ビタミンB6の2種類です。
ビタミンB2は脂質やタンパク質の代謝を促し、細胞の生まれ変わりを活性化する作用があり、コラーゲンやセラミドと言ったお肌にハリを与える成分の生成に効果的です。
また、ビタミンB6はたんぱく質の代謝に欠かせない栄養分で、コラーゲンの生成を促すほか、ホルモンバランスを整える効果もあると言われています。

【代表的な食材】
(ビタミンB2)

  • レバー
  • 椎茸
  • アーモンド
  • 牛乳

 

(ビタミンB6)

  • ニンニク
  • マグロ
  • カツオ
  • 鶏肉

◆ビタミンC

“美肌=ビタミンC”そう思っている人も多いと思いますが、ビタミンCにはさまざまなスキンケア効果が期待できます。
美白はもちろん、コラーゲンの生成を促してお肌にハリを与えたり、老化物質である活性酸素を除去したりもしてくれる、頼もしい味方なのです!

【代表的な食材】

  • 赤ピーマンやパプリカ類
  • アセロラ
  • ブロッコリー
  • 緑茶

◆ビオチン(ビタミンH)

脂質や糖質、アミノ酸を代謝する際に補酵素として働くビオチンは、私たちの体内でエネルギーを作り出すのに役立っています。
また皮膚や粘膜を維持したり、爪や髪の毛を健康に保ったりと、外見の美しさにもにも欠かせないビタミンです。
私たちが普段食べている食材からも充分摂取できるため、欠乏の心配があまりない種類のビタミンと言えます。

【代表的な食材】

  • 鶏レバー
  • ナッツ類
  • 卵(加熱)
  • 魚介類
  • キノコ類

◆葉酸

「妊婦に必要な栄養素」と認識されることが多い葉酸ですが、実は代謝や赤血球の生成にも関係する、誰にでも大切なビタミンです。
DNAなどの核酸やたんぱく質の生成を促したり、細胞の生成や再生を助けたり、私たちの体のとって欠かせない存在なのです。

【代表的な食材】

  • 海苔
  • レバー類
  • 鰻(肝)
  • 大豆
  • 枝豆

まとめ

お肌を美しく保つために欠かせないビタミンには『脂溶性』『水溶性』の2種類があります。脂溶性は油に溶けやすいため、摂取するときは油と一緒に調理するのがおすすめ。水溶性は水に溶けやすく熱に弱いため、摂取するときは生がおすすめです。

水溶性ビタミンには細胞の代謝UP効果や、コラーゲンの生成を促す作用があるため、スキンケア対策としては特におすすめです。
また、ビタミンを含む食材は、野菜や果物、肉類と多岐にわたります。

「スキンケア対策!」と思って野菜ばかり食べるのは、栄養に偏りが出るのでかえってNG行為です。
効率よくビタミンを摂取して美肌を手に入れたいのなら、お肉やお魚も、バランスよく食べてください。
脂溶性と水溶性、どちらのビタミンにもお肌を強く美しくする効果がありますので、食事の際は意識して摂りたいものですね!