肌が黒く焼けたり、シミの原因になることから紫外線対策をしている方は多いと思います。
でも実は、紫外線は肌の乾燥も招くことをご存じでしょうか？
日焼けした日の夜、「なんだか肌がカサつく…」と感じた経験がある方も多いはず。
この“日焼け後の乾燥”は、ほとんどの人が一度は体験している現象です。
たとえば、日焼けしたあとに肌が浅黒くなり、ペリペリと皮がめくれてしまうことがありますよね。
あれは紫外線ダメージを受けた肌細胞が生まれ変わる（ターンオーバー）際に、角質が極端に乾燥することが原因のひとつです。
では、なぜ紫外線を浴びると肌は乾燥してしまうのでしょうか？
紫外線にさらされた肌は乾燥する
紫外線にはUVA・UVB・UVCの3種類がありますが、私たちの肌に影響を与えるのは UVAとUVB の2種類です。
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UVA
長い波長を持ち、肌の奥深くまで届きます。
長年蓄積されたダメージは、シミや肌のたるみ、シワの原因となり、光老化の最大の要因とされています。 -
UVB
短く強い波長で、肌の表面に炎症やシミを引き起こします。
肌細胞に大きなダメージを与えるため、皮膚がんのリスクにもつながります。
どちらの紫外線も肌細胞を攻撃し、炎症やダメージを引き起こしますが、共通して起こるのが 肌の乾燥 です。
紫外線を浴びると肌の中で 活性酸素 が発生し、肌のバリア機能が急激に低下します。
肌のバリア機能とは、皮脂膜・角質層・角質間脂質（セラミド）・NMF（天然保湿因子）の4つの要素で成り立ち、肌に水分を蓄え、外界からの刺激を防ぐ働きをしています。
活性酸素によって皮脂が酸化すると、皮脂膜で守られていた角質層がダメージを受け、剥がれやすくなります。
角質層が剥がれることで、角質間脂質やNMFなどの水分保持成分も流出し、肌はどんどん乾燥していきます。
本来であれば、新しい肌細胞が常に生まれ変わることで肌は健康に保たれます。
しかし、紫外線でダメージを受け、さらに乾燥した肌では新しい肌細胞が十分に育たず、ガサガサ・ゴワゴワの悪循環が続いてしまいます。
紫外線でカルボニル化した肌は乾燥する
紫外線による肌の乾燥には、もうひとつ大きな理由があります。
それは、紫外線を浴びた角質の たんぱく質が変性する（カルボニル化） ことです。
角質のたんぱく質がカルボニル化すると、水分を保持する力が弱まり、肌の乾燥が進むことが近年の研究でわかっています。
では、カルボニル化とは具体的にどのような現象なのでしょうか？
肌のバリア機能のひとつである 皮脂膜。皮脂などの脂質（脂肪酸）は、紫外線によって発生した 活性酸素 の影響で酸化し、過酸化脂質 になります。
この過酸化脂質は、シミやたるみ、シワの原因となることが知られています。
さらに、肌の土台である 真皮のたんぱく質 も、過酸化脂質の影響で変性することがあります。
これが カルボニル化 です。
カルボニル化した肌は黄色味を帯び、黄ぐすみの原因にもなります。
さらに、角質層の水分量が大幅に減少するため、肌の乾燥がさらに進みます。
加えて、カルボニル化して乾燥した肌はバリア機能が低下し、再び活性酸素が増えるという 悪循環 に陥ります。
そのため、紫外線を浴び続ける限り、肌の乾燥はどんどん進行してしまうのです。
紫外線対策の基本は「浴びない・防ぐ・保湿」
紫外線によって肌が乾燥することはすでにご説明しました。
肌の乾燥は、シミやシワ、ニキビ、くすみ、ゴワつきなど、ほとんどすべての肌トラブルの原因になり得ます。
そのため、乾燥から肌を守るためには まず紫外線を無防備に浴びないこと が大切です。
外出時には、日焼け止めやUVカット機能のある帽子や小物などで、紫外線を物理的に防ぎましょう。
また、万が一紫外線を浴びてしまった場合は、肌の乾燥を放置せず、保湿ケアをしっかり行うこと が重要です。
この3つ、「浴びない・防ぐ・保湿」が紫外線対策の基本であり、肌を健やかに保つためのポイントです。
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