脂っぽい肌に潜むインナードライ肌

インナードライ肌とは?

インナードライ肌(乾燥性脂性肌、オイリードライ肌)とは、肌の表面が皮脂でテカテカとしているのに肌の奥が乾燥している状態のことを言います。
30歳前後から肌の油分量と水分量のバランスが乱れ、Tゾーンなどの肌表面は脂っぽいのに肌の内部は水分不足になる場合があります。

肌が乾燥すると、肌内部の水分がこれ以上蒸発しないようバリア機能として皮脂が分泌されて潤いを保持しようとします。そのため、乾燥肌とは逆に脂っぽくテカテカとしたオイリー肌だと勘違いしてしまう場合もあります。

インナードライ肌の原因は間違ったケアにあり

インナードライ肌の原因は、女性ホルモンバランスやストレス、加齢など様々ですが、一番の要因は普段行っているケアの可能性も考えられます。

  • 小まめに洗顔を行う
  • 40℃以上の熱いお湯で洗顔する
  • 油取り紙で頻繁に、肌がサラサラになるまで皮脂をとる
  • さっぱりタイプの基礎化粧品を使っている
  • 皮脂が気になって乳液やクリームを付けない

肌の表面の余分な皮脂を取り除こうと、上記のようなスキンケアを行っていませんか?これらはさらに皮脂の分泌や乾燥肌を招いてしまいかねない、間違ったケアです。

洗顔の目的は、肌表面の汚れや余分な皮脂を洗い落とすことですが、頻繁に洗い過ぎるとバリア機能として必要な皮脂まで洗い落としてしまいます。
また、熱いお湯での洗顔も必要な皮脂を洗い落としてしまいます。

さっぱりタイプの基礎化粧品は保湿に特化していないため、肌内部の乾燥が悪化する一方です。

乳液やクリームは、化粧水や美容液などの有効成分が浸透するよう蓋をする役割があります。油分が気になるからと乳液やクリームを使用せずにいると、折角の有効成分が肌に浸透する前に蒸発してしまう可能性が考えられます。

これらの間違ったケアで肌内部が水分不足を引き起こして乾燥し、肌表面は皮脂分泌が増えてインナードライ肌へとなります。

インナードライ肌かどうかを見分けるには

インナードライ肌かどうか、チェックしてみましょう。

  • 洗顔直後はカサカサ乾燥していても、すぐ脂っぽくなってしまう
  • テカリが気になり、洗顔を頻繁に行う
  • 大人ニキビができる
  • 肌表面を押すと、細かなシワが浮き出る
  • 小ジワが目立つ
  • 肌表面にテカリがあるのに、ハリがない
  • 毛穴の開きが気になる

上記で当てはまるものがあれば、インナードライ肌の可能性があります。

水分量計測器で肌の水分量を計るのが一番わかりやすいのですが、計測器がなくても自分で手軽に調べる方法をご紹介します。


洗顔を行う前と後の肌の状態で、肌質を知ることができます。
普段から脂っぽい肌で、洗顔直後はつっぱらずしっとりしていて、その後すぐ脂っぽい状態になる肌は「脂性肌」です。
洗顔前はテカリがあり脂っぽい肌で、洗顔後につっぱったり乾燥を感じ、10分〜15分経つと部分的に脂っぽくなる肌は「インナードライ肌」です。


インナードライ肌を防ぐには

インナードライ肌にならないよう、これ以上悪化しないようにするために、対策をみていきましょう。

洗顔方法の見直し

まずは基本中の基本、洗顔方法を見直してみましょう。

インナードライ肌であれば、朝はぬるま湯で洗うだけにして夜しっかり洗顔するだけで十分です。
洗顔の際、ゴシゴシとこすらないよう湯は顔にぶつけるように、肌を直接こすらないようしっかり泡立てたフワフワの泡で洗顔するようにしてください。

水分を拭き取る時も、ゴシゴシとこすらないよう注意しましょう。毛足の長いフワフワのタオルで、肌を軽くおさえるように拭き取りましょう。

詳しくは、正しい洗顔方法のページをご参照ください。

正しい洗顔方法が肌トラブルを解決。美肌に導く3つのポイント。

メイク落としをご利用の方は洗顔方法と合わせて、クレンジング剤の見直しも考えてみてはいかがでしょうか。

インナードライ肌には、オイル系のクレンジング剤(メイク落とし)やシートなどで拭き取るタイプのメイク落としは避けましょう。
オイルクレンジングを脂っぽい肌に乗せると、メイク汚れが上手く浮かずに落としきれない場合があります。
また、拭き取りタイプは肌の表面をこすってしまうため、その摩擦で肌トラブルを起こしかねません。

ジェルやミルク・クリームタイプを使用するようにしましょう。

洗顔後はすぐに化粧品でお手入れを

洗顔後は肌の汚れも皮脂も落ち、非常に乾燥している状態です。そのままにしておくと肌は乾燥を防ぐために皮脂を分泌し始めます。そうなる前に、洗顔後はタオルで水分を拭き取ってすぐに、化粧品でお手入れを行うようにしましょう。

また、洗顔後の乾燥した状態は、水溶性の化粧品が浸透しやすくなっています。この状態でお手入れを行えば、効率よく保湿することができます。

生活習慣でインナードライ肌を予防

普段生活している中でも、インナードライ肌になる原因は様々あります。
以下の点を注意することで、予防にも繋がります。

  • 紫外線(日差しが弱い季節や曇りの日でも注意が必要です。)
  • クーラーやエアコンなどの風が直接肌に当たったり、乾燥した部屋
  • 3食きちんとした時間に食事を行っていない、栄養の偏った食生活
  • 睡眠不足、運動不足
  • ストレス
  • 喫煙
  • 頻繁な飲酒

体内のホルモンバランスが崩れたり、ターンオーバーが乱れる原因にもなります。肌の保水機能が不十分になり肌内部が乾燥し、肌表面はこれ以上乾燥しないよう皮脂を分泌して水分の蒸発を防ごうとします。

上記のような普段の生活の中でも、インナードライ肌を招く原因はたくさんあります。

インナードライ肌を改善したい!

インナードライ肌を改善するには、まず先述の対策を心掛けることが重要です。
その次の段階として、過剰な皮脂分泌を抑えて肌内部の乾燥を潤す対策をみていきましょう。

基礎化粧品の見直し

肌活性を促すプラセンタエキス

肌の保湿に適した4大保湿成分は、以下になります。

  • ヒアルロン酸
  • コラーゲン
  • セラミド
  • エラスチン

化粧品を見直す場合は、これらを主に含む化粧品を選ぶのがベストです。

また、同じシリーズで美容液や乳液、保湿クリームなどがあれば、ラインで揃えてしまうとよいでしょう。同じシリーズは相性がよく開発されており、肌の馴染みも良い場合が多いです。
自分に合ったものがわからない場合は、迷わずラインで揃えて試してみてください。

皮脂が気になるからと、化粧水や美容液だけに頼らず、乳液や保湿クリームもすすんで使用するとよいでしょう。化粧水や美容液の保湿成分の蒸発を防ぎ、浸透効果が期待できます。

塗り過ぎには注意が必要ですが、使用順、使用量を守るようにしましょう。

美顔器のトリートメントも改善の近道

  • 保湿に特化した基礎化粧品を揃えなおすのがめんどうくさい
  • 現在使用している基礎化粧品が自分の肌に合っていて変えたくない
  • インナードライ肌用に何の商品を追加すればいいのかわからない

そんなお悩みの場合、今お使いの基礎化粧品に美顔器をプラスだけでもインナードライ肌改善への近道になります。

美顔器には用途や目的別に様々な機能を搭載したものがあります。インナードライ肌の場合は「トリートメント」や「導入」といった、化粧水や美容液の成分を肌に浸透させる機能が搭載されている美顔器がオススメです。

化粧水や美容液を手で肌に浸透させ保湿クリームで蓋をするのも、ある程度の限界があります。手で肌に揉み込むように浸透させる人もいますが、肌にとっては擦るのと同じ刺激となり、乾燥だけでなくシワやシミを招く恐れがあります。

美顔器を使用することで、肌にそのような負担をかけず、より奥まで浸透させて効率よく保湿させることが期待できます。

※ 美顔器の使い過ぎはオーバートリートメントになり、かえって肌へ負担がかかる場合があります。
※ 美顔器使用の際は説明書を必ず読み、使用時間・使用方法を守りましょう。

油取り紙を使わずに気になる皮脂を取るには

肌表面のテカリや油分、メイク直しの際ムラになりそうでどうしても気になる場合は、油取り紙で拭き取る替わりに、化粧水をメイクの上から吹き掛け、軽くティッシュオフしてください。必要な皮脂を落とすことなく、サラッとした状態になります。

紫外線対策や水分補給は必須

肌の外側からは紫外線対策、体の内側からは水分補給を心掛けることも、インナードライ肌には欠かせない改善策です。

紫外線は一年中、日差しがどんなに弱くても肌に降り注ぐものです。真夏だけでなく、一年中曇りの日でも紫外線対策を行うようにしましょう。

また、SPF値が高いUVケア商品は肌への負担も高くなる場合があります。肌の負担と共に乾燥も招きます。肌への負担があまりかからないUVケア商品を、小まめに付けるとよいでしょう。

水分補給は、特に朝起きた後や入浴前・後、普段から小まめに摂るとよいでしょう。部屋が乾燥している場合は特に、喉が乾いていなくても水分補給するよう心掛けてください。

インナードライ肌は見極めとケアが重要

過剰な皮脂分泌は一見、オイリー肌と勘違いしてしまいがちです。
しかし、それは肌の内部の乾燥が原因。

ニキビやメイクのノリが悪くなったり、化粧崩れや洗顔後のツッパリ感などが気になったらインナードライ肌の危険信号です。
皮脂を取り除くのではなく、まずは肌に足りない水分を補給させることが大切です。

肌の保湿は、あらゆるスキンケアの基礎であり、あらゆる肌トラブルの解決策でもあります。

肌に潤いを戻し、その状態をキープすることは簡単なようでなかなか難しいことです。インナードライ肌にならないためにも普段から対策を心掛け、
小まめに肌を保湿させてあげましょう。