目の日焼けって?紫外線を目に浴びることで起こるリスクと対策

「日焼け対策」というと日焼け止めを塗ったり日焼け後のスキンケアを丁寧にしたりと肌を守ることを考えがちですが、実は肌と同じように「目の日焼け」も対策することが重要です。

目に紫外線を浴びることで起こること2つ

1)肌が日焼けすることがある

肌にしっかり日焼け止めを塗っていても目に紫外線を浴びてしまうと肌が浅黒く焼ける、サンタンが起こる場合があります。

これは目に浴びた紫外線に脳が反応し、紫外線から身を守ろうと身体中のメラノサイトからメラニンを生成するように命令が出るためです。

こうなってしまうと、日焼けをしないようにしっかりと塗った日焼け止めも意味をなしません。

また、通常日焼けは紫外線を浴びた部分の皮膚が変化しますが、目から紫外線を浴びた場合は全身が焼けてしまいます。

「気づいたら全体的に肌が焼けている気がする」と思った時は、目からの紫外線を疑ってみるべきでしょう。

2)目の病気を誘発・悪化させる危険性がある

目の角膜が強い紫外線を浴び続けることで、角膜に炎症が起こる、紫外線角膜炎がよく知られています。

スキーや海水浴などのアウトドアや電気溶接を行った際の光で起こることが多く、強い光を浴びて約6時間後〜程度で症状が現れます。

目のゴロゴロ・ショボショボ感・まぶたの腫れ、結膜の充血の他、涙が止まらなかったり、痛みを感じたり、光を特にまぶしく感じたりします。

その他の紫外線が原因で起こる目の病気には、白内障(はくないしょう)や翼状片(よくじょうへん)、瞼裂斑(けんれつはん)を引き起こしたり、悪化させたりすることがあります。

紫外線が引き起こす・または悪化させてしまう目の病気

白内障

目の中にある水晶体という、光を像として角膜に写す役割を持っている組織が白く濁っていく病気です。

白内障が進むと、視界が白くぼやけてしまったり、まぶしく見えたりなどの弊害が起こります。

治療をせずに放置してしまうと緑内障を引き起こし、失明にもつながる恐れがあります。

白くなる原因は酸化ストレスであると言われており、加齢・睡眠不足・喫煙・紫外線を浴びることで酸化ストレスは蓄積されます。

翼状片

白目の表面を覆っている結膜が目頭または目尻の方から三角形に黒目に向かって伸びてくることで乱視を引き起こしたり、結膜が瞳孔部分まで伸びてしまうと視界が遮られるようになります。

屋外で長時間作業する職種の人に現れやすいことから、紫外線が原因と考えられています。

瞼裂斑

眼のシミとも言われる病気で、白目の一部分が盛り上がり、黄色く変色します。

充血や異物感を伴うことがあり、進行すると翼状片になることもあります。

紫外線やドライアイ、ハードコンタクトレンズなどの刺激などが原因とされています。

 

目も焼かない!紫外線対策のススメ

スキー・スノーボーダーや登山家の間では常識の紫外線の目への影響ですが、さすがに目に日焼け止めを塗ることはできませんよね。

そこでお勧めしたい予防策がサングラスです。
ただし、サングラスの選び方を間違えると着用していない時よりも紫外線のダメージを受けることになりかねないので、下記の3点を参考に適切なサングラスを選びましょう。

(1)UVカット加工が施されているレンズを選ぶ

サングラスならばどれでも効果があるわけではありません。

UVカット加工が施されていないレンズでは、紫外線は容易く目に降り注いでしまいます。

また、そのUVカット加工にも効果の高いもの・低いものがありますので、下記2点を参考にレンズを選びましょう。

  1. 紫外線カット率が高いもの、もしくは紫外線透過率が低いもの
    『紫外線カット率』『紫外線透過率』とは、レンズがどれだけ紫外線をブロックしてくれるか・または通してしまうかを表す数字です。
    紫外線カット率が高ければ高いほど紫外線を通しませんし、紫外線透過率は低ければ低いほど紫外線を通しません。
    昨今は紫外線カット率100%や紫外線透過率0.1%以下なんてレンズもあるのでしっかりと確認しましょう。
  2. UV400の記載があるもの
    紫外線にはUVA・UVB・UVCの3種類がありますが、それぞれ波長の長さが異なっており、UVAが一番長く、315〜400nmです。
    UV400の記載があるものは、400nmまでの波長の紫外線を防いでくれるので、3種類の紫外線全てに対応しているレンズだと言えます。

この2点を満たしたものが、より好ましいサングラスのレンズだと言えます。

(2)レンズの色は濃いものを控える

サングラスというとレンズの色が濃いほど眩しくないから良い、と感じる方が多いのですが、それは間違いです。

眩しさが軽減されているサングラスは可視光線をブロックしているだけであって、紫外線をブロックしていることにはなりません

色の濃いサングラスは確かに眩しくない分、瞳孔が開いてしまうので瞳孔が閉じている時よりも多くの紫外線を取り込んでしまうことになります。

色が濃くて眩しくないから…とUVカット効果のないサングラスを着用して紫外線を浴びると、サングラスをしていない時よりも目には負担がかかりますので注意が必要です。

ただ、今度は色が薄すぎると眩しさに脳が勘違いして肌が日焼けを起こしますので、適度に眩しさを遮ってくれるものを選びましょう。

運転にはブラウンやグレー、マリンスポーツにはブルーなと、レンズの色や濃さによって適しているシチュエーションも変わってきます。
サングラスを求める際には販売店の店員さんと相談しながら決めるのがオススメです。

(3)顔の形に合った形状

夏のおしゃれのアイテムとして人気のサングラスですが、顔の形にフィットしていないフレームを選んでしまうとサングラスの隙間からダイレクトに紫外線を浴びてしまうことがあります

なるべくレンズが大きく、顔の輪郭にそった形状のフレームを選ぶことがオススメですが、その結果デザインが気に食わずにあまり使わなくなってしまう、なんてなると逆効果。

『輪郭に沿った、隙間の少ないフレームを選ぶ』という条件は心の隅に止める程度にしておいて、店頭で試着した際の見た目、掛け心地のフィット感を大切にしましょう。

気に入ったサングラスなら、毎日少しの外出でも着用する習慣がつけられるのでベターです。

顔の輪郭に沿った隙間の少ないフレームで、お気に入りが見つかればベストですね!

サングラスには寿命があります

サングラスは1度買えば半永久的に使えるものではなく、実はUVカット効果には寿命があるということもおさえておきたいポイントです。

UVカット効果があるレンズには2種類あり、UVカット加工が施されたものとUVカット素材で作られたものがあります。

UVカット加工レンズは通常のレンズの表面にUVカット効果のあるコーティング剤を塗布したものです。

UVカット効果のあるコーティングは経年とともに劣化し剥がれたり薄くなるので早くて1年、丁寧に扱っても5年が限界と言われています。

対してUVカット素材で作られたレンズはレンズの中にUVカット素材が練りこまれています。

UVカット加工のものと比べて長持ちする傾向にありますが、こちらも使用頻度が高くなるとUVカット効果が薄れるので、やはり5年程度を寿命と考えたほうが良いでしょう。

3〜5年に1回は、リフレッシュも兼ねてサングラスを新調しおしゃれを楽しんでみてはいかがですか?