界面活性剤は『肌に悪い』と思われがちですが、実はスキンケアに欠かせない成分のひとつです。
正しく理解すれば、その働きは肌にとって心強いサポートになります。
そこでまずは、界面活性剤とはどんなものなのか。
基本から分かりやすくご紹介していきます。
化粧品に使われる界面活性剤とは?
界面活性剤とは、水と油のように本来混ざり合わない成分の“境目”に作用する成分です。
その働きには大きく4つあり、「乳化」「浸透」「分散」「起泡」が代表的です。
- 乳化作用:水と油をなじませて均一に混ぜる
- 浸透作用:水の表面張力を下げ、肌になじみやすくする
- 分散作用:水に溶けにくい粒子を細かく分けて均一に広げる
- 起泡作用:泡立ちをよくして洗浄力を高める
特に「洗浄」のイメージが強い界面活性剤ですが、実はこれら4つの作用が組み合わさることで、汚れを落とす働きが生まれています。
泡立った界面活性剤は、まず肌と汚れの間に入り込み、汚れを水中に分散させたり、水と油を乳化させて浮かせることで、やさしく洗い流すことができるのです。
洗顔に使われる界面活性剤とは?
洗顔に使われる界面活性剤は、大きく 「クレンジングに配合されるもの」 と 「石けんや洗顔フォームに配合されるもの」 の2つに分けられます。
クレンジングに含まれる界面活性剤
メイク用品には、水や汗を弾くためにオイルが配合されています。そのため皮脂よりもしっかりと落ちにくいのが特徴です。
クレンジングはオイルをなじませることでメイクを浮かせますが、そのままでは洗い流しにくいため、界面活性剤が乳化剤として働き、メイクとオイルを水で流せる状態に変える 役割を担っています。
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乳液・ジェルタイプ
水ベースにオイル粒子と界面活性剤を含む。メイクが十分に馴染むまでに時間がかかるが、洗い流しは簡単。 -
オイルタイプ
オイル比率が高く、メイクとのなじみが良い。さっぱり落とすため界面活性剤の配合も比較的多い。 -
クリームタイプ
オイルをベースに水や界面活性剤を配合。メイク落ちは良いが界面活性剤が少なめなので、丁寧なすすぎが必要。 -
水クレンジング
オイルを含まず、界面活性剤のみでメイクを落とす。洗浄力が強いため、肌への負担がやや大きい。
洗顔料に含まれる界面活性剤
洗顔料に配合される界面活性剤は、「石けん」 と 「合成界面活性剤入り洗顔料」 に大別できます。
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石けん(天然の界面活性剤)
弱アルカリ性で、皮脂や角質を中和して落とすのに優れています。水に分解しやすく、洗い残りが少ないため環境にもやさしいのが特徴。ただし肌荒れ中は刺激を感じやすいことがあります。 -
合成界面活性剤入り洗顔料(フォーム・泡タイプ・ジェルなど)
多くは弱酸性で、肌への刺激は少なめ。合成界面活性剤の力で皮脂や角質を落としますが、種類によってはバリア機能に作用し、肌トラブルの原因になることもあります。
洗い上がりの違い
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石けん → さっぱり仕上がり。界面活性剤が肌に残りにくいため、後の化粧水や美容液が浸透しやすい。
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合成界面活性剤入り洗顔料 → しっとり仕上がりに感じることが多いが、実際には界面活性剤の膜が肌に残っている場合があり、スキンケア成分の浸透を妨げることも。
■石けんの種類
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枠練り石けん:時間をかけて乾燥させる製法。泡立ちが良く、溶けにくく長持ち。
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機械練り石けん:大量生産に向き、手頃な価格。やや湿気に弱く、使ううちにふやけたりひび割れしやすい。

洗顔の目的は「余分な汚れや皮脂を落とすこと」。
しっとり感やうるおいを洗顔そのもので期待するよりも、自分の肌状態に合った洗浄力のタイプを選び、その後のスキンケアでしっかり補うことが大切です。
保湿剤に使われる界面活性剤
界面活性剤は洗顔料だけでなく、乳液やクリームなどの保湿剤にも広く使われています。
水と油を混ぜ合わせる乳化作用により、クリームや乳液の成分が均一に安定して肌に届くようになっています。
また、界面活性剤の浸透作用により、肌に水分や美容成分がなじみやすくなるのも大きな特徴です。
例えば、保湿成分のセラミドや、美白成分の油溶性ビタミンC誘導体、肌にハリを与えるパルミチン酸レチノールなどは油溶性です。
こうした成分も界面活性剤の力で化粧水や美容液に均一に配合され、使用中に濃度や効果が偏ることなく安定して肌に届けられます。
保湿剤に使われる界面活性剤は主に合成界面活性剤ですが、中には大豆由来のレシチンのような天然界面活性剤も利用されています。
界面活性剤が「肌に悪い」と思われる理由
化粧品に欠かせない成分である界面活性剤ですが、時に「肌に悪い」と思われることがあります。
その理由は、界面活性剤の作用が肌のバリア機能を支える 皮脂膜 にまで影響する場合があるからです。
皮脂膜は肌の一番外側にあり、水分を保ったり外部刺激から肌を守ったりする大切な役割を持っています。
しかし、洗顔やクレンジングで界面活性剤を使いすぎると、皮脂膜まで水と馴染んで流され、肌のバリアが弱くなることがあります。
とはいえ、化粧品に配合される界面活性剤は基本的に安全です。
洗浄力の高いクレンジングや泡洗顔は、肌への刺激が少ないものを選び、丁寧に洗うことが大切です。
保湿剤に含まれる界面活性剤は通常それほど気にする必要はありませんが、気になる場合は 配合割合が低いものや、界面活性剤不使用のアイテム を選ぶと安心です。
オイルフリーの美容ジェルなどは、そもそも水と油を乳化させる必要がないため、界面活性剤が含まれていないことが多いのでチェックしてみましょう。
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