クレンジングの効果を最大限に引き出す「乳化」

メイクを落とすのに必ずと言っていいほど必要なのがクレンジングですが、
クレンジングは正しく乳化させることで、よりしっかりとメイクを落としたり、
肌へのダメージを少なく、さっぱりと洗い上げることが可能です。

ただ塗って流すだけじゃもったいない、クレンジングの乳化について見ていきましょう。

乳化ってどういうこと?なんで必要なの?

クレンジングのほとんどがオイルを使ってメイクを肌から浮かせるものですが、
メイクと馴染んだクレンジングは、乳化させないと肌に残ってしまいます。

クレンジングにおける乳化とは、
水と油を界面活性剤の力で混ぜ合わせ、水に流しやすい状態にすることを指します。

乳化がうまくできていないと、メイクは油ですので、洗顔時の水をはじいてしまい、
顔の上にメイクなどの油が残ったままになってしまいます。

それを防ぐために、界面活性剤の力を借りて水と油が反発しないで混ざり合うように
状態を変化、つまり乳化させるのです。

クレンジングを乳化させてすっきりと洗い流すと、残ったメイクが肌を刺激するのを防いだり、
肌の上に残ったオイルの酸化で起こる、シミやくすみ、ニキビなどの
肌トラブルを回避することが可能
です。

クレンジングの乳化の方法は、クレンジングの特性や成分によっても少しずつ異なります。

オイルクレンジングの乳化

クレンジングに配合されているオイルの量が多ければ多いほど、
水と乳化させるための界面活性剤の量も多くなる傾向にあります。

オイルクレンジングは主成分がオイルのため、メイクを落とす力が強い分
オイルを乳化するための界面活性剤の配合量が多いクレンジング剤です。

界面活性剤が多い分、乳化はしやすいクレンジングですが、
手順を間違えるとメイク混じりのオイルだけが顔の表面に残ってしまうことも。

オイルクレンジングを乳化させるために必要なのは、適度な量の水です。

クレンジングはメイクが十分に馴染んだところで水を使って乳化しますが、
この時に水をいきなりバシャバシャと顔にかけてしまうと
油と水が上手に乳化せずに顔に油やメイクが残ってしまいます。

上手な乳化のためにはまず手を水で濡らし、手に付いている水滴で顔を優しくなでるようにします。

クレンジング剤が乳白色に濁り、指先の感触もするりと軽く感じれば
上手に乳化したサインです。

あとはぬるま湯をぶつけるようにして綺麗に落としましょう。

クレンジングによってはW洗顔が不要のものもありますが、
特にそういった表記がない限りは手持ちの洗顔せっけんなどで泡洗顔をし、
クレンジングの油が顔に残ったままにならないようにしましょう。

クレンジングを乳化する際、肌をこすらないように気をつけてください。

中指と薬指の腹で、優しくなでるようにが基本です。

力を込めたマッサージなどは絶対にやめてください。

シワや乾燥の原因になる他、せっかく浮いたメイク汚れが
毛穴に押し戻されることもあります。

乳化に必要なのは適量の水と言われても難しいですが、
「自分で思っているよりも少ないくらいの量の水」くらいから始めてみましょう。

オイル以外のクレンジングで必要な乳化ステップ、「転相」

クレンジングの種類によっては、乳化の前に「転相」と言われるステップが必要なものもあります。

ジェルやクリーム・ミルクなどの主成分がオイルではないクレンジング剤です。

ジェルやミルク、クリームクレンジングは、製品になった時点ですでに水と油が乳化されており
水が主体で、オイルを包括している状態になっています。
(ジェルに関しては、乳化されているものやラメラ状に構成されているものなどがあります)

これらのクレンジングは、肌の上に塗布してメイクと馴染ませる時に、
肌の熱の作用で水主体の成分が、油主体の成分に変化(転相)します

ジェルやミルク、クリームクレンジングを塗布した時に、
ふっと指の滑りが軽くなりオイルクレンジングのような感触になりますが、
それが転相したサインです。

オイルのような感触になることから、オイル化とも呼ばれます

オイル化したクレンジングを、さらに乳化させて洗い流す手順は
オイルクレンジングの乳化と同じです。

最初は転相のタイミングや水の加減が難しいですが、丁寧に指先の感覚を感じながら
肌の摩擦にならない量の水を心がけて何度か試すとコツがつかめますよ。

クレンジングに含まれる界面活性剤がメイクと水とを混ざり合わせて綺麗に落ちるわけですが、
界面活性剤には肌のバリア機能までも一緒に洗い流してしまう作用があります。

オイルクレンジングには界面活性剤が多く含まれていますのでトラブル肌には向きませんが、
健康な肌の人が使う分には問題がありません。

しかし、乾燥肌や敏感肌、ニキビなどの肌トラブルを抱えている場合は、
オイルの量に比例して界面活性剤の量も少ない、ジェル・ミルク・クリームクレンジングが
肌への負担が少ないのでオススメです。

ミルクやクリームクレンジングを使う際は、ポイントメイクは落ちないことが多いので、
事前にポイントメイクアップリムーバーで落としておくようにしましょう。

まとめ

クレンジングとセットでマスターしておきたい、乳化。

クレンジングに配合されているオイルと界面活性剤を、正しい手順で乳化させることは
メイクをさっぱり洗い流し、肌への負担をかけない為に必要です。

乳化はオイルクレンジングと、ジェル・ミルク・クリームクレンジングなどとでは
乳化させる手順が少しだけ違いますが、共通するのは優しく丁寧に行うということ。

普段のクレンジングで「正しい乳化」をあまり意識したことのない方は、
これを機に試してみてはいかがでしょうか?

洗い上がりがさっぱりすると、そのあとの保湿の効果も上がりますよ。